研究概要 |
昨年度までに、若い女性63名の三次元計測を実施したが、本年度はさらにデータを増やすことと、三次元計測で得られるデータの精度について検討し、今までの成果を公表することを目標とした。 まず本研究室の装置で、成人女性の体幹部の全周計測を行うことを前提として撮影した三次元計測値の精度について、(1)三次元計測値と(2)被写体の動揺に関する2つの実験により検討した。 実験(1)では固定物体2種類(円柱と不定形物)について、それぞれ周囲長、高さ、直線距離、表面長で各4項目合計32項目を取り上げ、三次元計測3回と直接計測2回を行い、両者の計測値の差異から精度を検討した。分散分析の結果から、固定物の三次元計測値の精度は、周囲長、高さ、直線距離、表面長で多少異なるものの、全体としては非常に精度良く計測できることがわかった。およそ100cm程度の長さに対して0〜0.3cmの差異が見られた。 実験(2)では、被験者3名について、身体上の11点を取り上げ、繰り返し3回の計測を行い、身体の動揺を検討した。その結果、3回の計測値(三次元座標値)間の差異は左右、上下方向では非常に小さいが、前後方向ではかなりの差異を示した。また計測点の高さの違いによる一定の傾向は認められなかった。このことから、計測に際しては、前後方向の動揺を減じる手だてが必要とわかった。 これらは実践女子大学生活科学部紀要43号に「三次元計測の撮影及び精度」の表題で掲載された。 前年度撮影したデータについて、特に肩部形状について屈身傾向や反身傾向を数量的に検討し、類型化を試みた。その結果を、International Textile and Apparel Associationの2006年年次大会(U.S.A., Virginia, Alexandria市で開催)で"Shoulder Shape Analysis"のタイトルで発表した。
|