研究概要 |
寒冷地において冬期間にみられる社会的入院、いわゆる「越冬入院」について、その居住環境的要因を解明し対策を検討することを目的として、新潟県六日町・大和町をフィールドとして本年度は以下の調査を実施した。 1)介護保険居宅サービス利用者における「越冬入院」の概況に関する調査 「越冬入院」の実態を概略把握するとともに、居住環境調査の対象者を選定することを目的に、ケアマネジャーを対象としたアンケート調査を実施した。2003年7月現在の在宅給付管理数合計1,125人に関して、ケアマネジャー48名全員から「越冬入院予定者数」および「越冬入院予定者の属性・越冬入院理由」の回答を得た。その結果、「越冬入院」が予測される居宅サービス利用者は合計34名(3・0%)であった。そのうち「屋内の寒さ」を主な理由とするものは16名であった。「越冬入院」が予測されるものに関してその属性を在宅給付管理全数のそれと比較すると、「男性」の割合が若干高く、「要介護4」「同5」の割合が高かった。 2)「越冬入院」事例の居住環境に関するケース・コントロール調査 上記アンケート調査で把握した「越冬入院」予定者のうち、「屋内の寒さ」を主な理由とするもの16名を対象として、居住環境と生活実態に関するケース・コントロール調査を実施した。16名のなかで測定・訪問面接調査の依頼に同意した10名をケースとし、その性・年齢5歳階級・要介護度をマッチングさせた「越冬入院」を予定しない居宅サービス利用者10名をコントロールとした。主介護者に対する面接調査、見取り図採取を実施し、室内の温湿度の連続測定を11月から4月まで実施中である。
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