研究課題
基盤研究(C)
本研究は、同一対象に対して行った長期反復調査のデータを基に、日本農村直系制家族の変動と持続を明らかにすることを目的とする。特に、日本家族の変化した生活面と持続的な側面を明らかにするために、多世代同居形態である農村直系制家族に着目している。本研究のはじまりは、1966年「二世帯比較法による社会変動の研究」(東京教育大学・森岡清美名誉教授)がもとになったものであり、このような長期にわたる研究の発展・継承である。既に、過去6回(1966.1972.1979.1981.1992.1997)にわたり、同一対象、世帯に対して行った調査データがあり、その結果の整理、とりまとめの一部である。本研究の主な成果は次のような点である。第1点は、本研究に関連する膨大な蓄積のある社会学などの領域から農村家族変動論、世代間関係に関する文献サーヴェイを行い、その系譜を跡づけた。第2には、日本全国、県、町、対象世帯の世帯構成、農業経営、労働等に関わる統計資料の分析を行なった。その結果、日本の直系制家族、農業は今、大きな転換期にあること、質的変化をしていること等が具体的に確認出来た。対象世帯は典型的な日本農村直系制家族であると位置づけることが出来た。第3には、長期反復調査によって得た貴重なデータの有効活用、評価法の検討の必要性が浮かび上がった。第4に、個人のライフコース、ライフイベントの一部を分析することが出来たことである。このデータは対象世帯108世帯、一世帯6人の個人データもある。さらに個人のライフコースの歩み、離家した傍系成員のデータ等を合わせると1000人以上の個人データが有り、日本の昭和期、特に高度経済成長期(1960年代)から家族、地域の変動を歴史的に跡づけることができる貴重な資料である。今後、まだなお丁寧に資料を分析し、確認をすることによって日本家族の変動を見いだすことが可能である。
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すべて 雑誌論文 (8件)
山梨県立女子短期大学紀要 第37号
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