研究概要 |
1.目的:食事から摂取されるフラボノイド量を求めるためには,日常食される野菜・果実中のフラボノイド含有量のデータが必要である。そこで,良く摂取される野菜・果実中のフラボノイド含有量の測定を行うこととした。 2.方法:野菜・果実の可食部分を試料とし,80%メタノールで2回フラボノイドの抽出を行い,Sep-PakC_<18>カートリッジによる処理後,100%メタノール溶出部分をフラボノイド抽出液とした。抽出液は塩酸による加水分解後,Sep-Pak C_<18>カートリッジによる処理,塩酸除去のための水洗後,100%メタノール溶出部分を分析用試料液とした。分析は高速液体クロマトグラフ日立L-7100,カラムWakosil-II5C18RS(和光φ4.6×250mm)を用いて行った。移動相はA蒸留水(0.5%酢酸を含む):メタノール(70:30),B蒸留水(0.5%酢酸を含む):アセトニトリル(70:30),C蒸留水(0.5%酢酸を含む):アセトニトリル(50:50)を使用し,グラディエントで行った。検出はダイオードアレイ検出器で254nm,280nmの波長で行った。 3.結果:今回は果実として柑橘類を使用した。総フラボノイド量(mg/可食部100g)は,オレンジ106.5,グレープフルーツ(ホワイト)39.5,温州ミカン52.0,紅はっさく37.7,ネーブル135.3であった。柑橘類中のフラボノイドとして,ナリンゲニンとヘスペレチンが多く含まれ,いずれの果実においてもこの2種類で90%以上を占めていた。野菜中の総フラボノイド量(mg/可食部100g)は,チンゲンサイ9.3,小松菜6.1,ニラ40.3,青ネギ24.9であった。フラボノイドとしては、いずれもケンフェロールが多く含まれていた。小松菜では茹でた後,総フラボノイド量は半分以下に減少した。
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