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2004 年度 実績報告書

オールスパイスの抗酸化特性とその活性発現因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15500547
研究機関大阪市立大学

研究代表者

菊崎 泰枝  大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)

キーワードオールスパイス / Pimenta dioica / フラボノイド / 没食子酸関連化合物 / 抗酸化性 / 自動酸化 / ドレッシング
研究概要

本研究は、フトモモ科の香辛料であるオールスパイスに含まれる成分を単離、構造決定してその抗酸化特性を明らかにするとともに、活性発現因子を解明することを目的としている。昨年度オールスパイスの成分の抽出、精製を行い、16種の化合物を単離し、各種機器分析によりその化学構造を明らかにした。このうち2種は新規化合物であった。本年度、ひきつづきオールスパイス成分の精製をすすめ、3種の化合物を新たに単離した。各種機器分析やタンナーゼによる酵素分解を手段とし、これらの化合物を(4S)-α-terpineol 8-O-β-D-(2-O-galloyl)-α-L-arabinofuranosyl-(1→6)-β-D-glucopyranoside, (4R)-α-terpineol8-O-β-D-(2-O-galloyl)-α-L-arabinofuranosyl-(1→6)-β-D-glucopyranoside,3-(3,4-dihydroxy-5-methoxyphenyl)-propane 3-O-β-D-(6-O-sinapoyl)glucopyranosideと構造決定した。これらの3種の化合物はいずれも新規化合物であった。これまでに単離した化合物を化学構造の特徴から分類するとフェニルプロパノイド、安息香酸関連化合物、フラボノイド、没食子酸配糖体、タンニンに分類できる。これらのなかで比較的オールスパイス中の含有量が多い11種を選抜し、油脂に対する抗酸化試験を行った。リノール酸メチルを基質とし、40℃暗所に保存し、油均一系における自動酸化抑制効果を調べた結果、オルトジフェノール構造を有する化合物はいずれも抗酸化性を示した。とくに1,2,3-トリフェノール構造を有する物質が1,2-ジフェノール構造を有する物質より強い抗酸化性を示した。油均一系での加熱強制通気酸化(基質:リノール酸メチル、90℃)の系では、1,2,3-トリフェノール構造を有していても高極性の物質は活性を示さなかったが、40℃における自動酸化に対しては高極性物質であっても活性の低下は観測されず、各化合物の活性の強弱はDPPHラジカル捕捉能と対応していた。また、脂質含有食品としてドレッシングを調製し、6種の単離化合物の20℃で保存したドレッシングに対する抗酸化性をTBA法を用いて測定したところ、化合物の極性に関わらず、オルトジフェノール構造、4-hydoroxy-3-methoxyphenyl構造を有する物質ともに抗酸化性を示し、その活性の強弱はDPPHラジカル捕捉能と対応していた。オールスパイス成分の抗酸化特性は化合物固有のラジカル捕捉能と極性が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Antioxidative polyphenols from berries of Pimenta dioica.2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Miyajima, H.Kikuzaki, M.Hisamoto, N.Nakatani
    • 雑誌名

      BioFactors 22

      ページ: 301-303

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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