研究課題/領域番号 |
15500554
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
阿久澤 さゆり 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教授 (60256641)
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研究分担者 |
内野 昌孝 東京農業大学, 応用生物科学部, 助手 (00328543)
山口 静子 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (90297599)
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キーワード | 澱粉 / 糊化特性 / 粘弾性 / マッピング / 主成分分析 |
研究概要 |
植物起源が異なる澱粉の理化学的性質と糊液のレオロジー的性質を明らかにするために、以下の項目について実験を行った。 1.10種の澱粉の理化学的性質と糊液のレオロジー的性質 (1)澱粉粒の性状と分子特性:粒径、アミロース含量、HPAEC法によるアミロペクチンの鎖長分布を測定し、さらに多角度光散乱検出器による慣性半径の測定を行なった。 (2)糊化特性:膨潤力・溶解率、アミログラフイによる糊化・粘度挙動、不差操作熱測定(DSC)による熱測定を行なった。 (3)糊液の粘弾性:糊液の動的粘弾性および静的粘弾性を測定し、各澱粉糊液の粘弾性特性値を算出した。 2.澱粉の特性構成因子の抽出と澱粉の相互関係の検討 1)で得られた理化学的特性値およびレオロジー特性値をパラメーターとして、多変量解析を行い、植物起源の異なる各種澱粉の特性を構成する因子を抽出し、その抽出因子により澱粉の相互関係を検討した。主成分分析を行った結果、澱粉の特性を構成する因子を統計的に抽出して同一軸上にマッピングし、各澱粉間の相関関係を新たに把握することができた。得られた因子を用いて各澱粉を布置して比較すると、寄与率の多い因子では、鈴木の提唱した澱粉尺に近似した分布であった。さらに澱粉間の関係を検討した結果、特性が近似していると考えられるジヤガイモとカタクリおよび食用カンナ澱粉、他の根茎澱粉、種実・幹澱粉、特異な性質を示すキャッサバ澱粉に大別され、3次元表示で各澱粉の相互関係を整理することができた。このことは、さらに他の特性値を検討し、多くのパラメーターを用いて解析することにより、経験的に把握してきた各澱粉の特性を、理論的に体系づけられる新たな方法を提示した。
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