研究概要 |
本年度は,学校給食運営におけるBSE問題の影響及び地元産食材料使用の実態を明らかにするために、次の研究活動をすすめた。 第一に、北海道の学校給食における地元産食材料使用並びにBSE問題前後の牛肉使用に関する実態調査を行った。このためには、研究協力者の協力の下で、北海道学校給食会や北海道教育局などへのヒアリングを実施した。 第二に、北海道でも代表的な牛肉産地でもある帯広市および道内各地から、給食献立表等を収集し比較分析を行った。この実施には主に研究分担者が依頼、収集、分析を行った。なお、資料分析では不充分な点は関係者からのヒアリングによって確認した。 第三に、BSE発生前後の学校給食献立変化を確認するために、関連雑誌を利用した検討も行った。 第四に、これまでの3年間の研究を総括するとともに、研究結果をとりまとめ、報告書の作成を行った。 今年度明らかになったことは、次の諸点である。 まず、北海道は牛肉産地であり、多くの学校給食で牛肉が使用されてきた。地元産牛肉の使用も拡大してきた際に、BSE問題が発生し自粛を余儀なくされたが、他県に比較してその度合いは緩やかであったことが明らかになった。次に、北海道は広いため学校給食会による野菜の共同購入はうまくいかず、保管・管理しやすい、にんじん・玉ねぎ等に限定されていた。他方、市町村レベルでは地元産を利用しようとする取り組みがすすんでおり、「北海道食育推進行動計画」の策定される今後、いっそうこの傾向がすすむことが示唆された。さらに、献立分析の結果明らかになったことは、もともと学校給食において牛肉使用は少なかったのではあるが、BSE後にさらに減少するという動きはそれほどでもなく、逆に牛肉使用を推進する動きが各地で確認された。
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