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2005 年度 実績報告書

乳幼児における主要卵白アレルゲンの腸管粘膜における吸収動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500570
研究機関武庫川女子大学短期大学部

研究代表者

高橋 享子  武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 助教授 (50175428)

研究分担者 木本 眞順美  岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (40108866)
キーワード食物アレルギー / 卵白アレルゲン / 免疫寛容 / オボムコイド / 腸管粘膜 / IgE / IgA / s IgA
研究概要

食物アレルギーにおける腸管粘膜免疫は重要である。食物アレルギー患者に対する微量アレルゲンの経口摂取による免疫寛容は、減感作治療として注目されている。これは、アレルギー抗体価の低下やヘルパーT細胞のTh1とTh2への分化比率に起因して免疫寛容が誘導されるとも考えられているが未だ十分な結果は得られていない。本年度は、アレルギー素因を有する若年齢Brown Norwayラット(BNラット)に卵白を継続して41日間投与した群(継続群)と10日間投与した後中止した群(中止群)の2群ラットの免疫寛容の誘導に追跡してアレルゲン投与と免疫寛容誘導について検討した。
【方法】OVA水酸化アルミニウム・アジュバンドによりIgE抗体価を上昇させたBNラット(4週齢、♂)に対して非投与群、卵白継続投与群(継続群:50mg/100g/日)と10日間投与した後、投与中止した群(中止群:50mg/100g/日)の3群を作製した。飼育期間中の総IgE抗体および卵白アレルゲン・オボムコイド(OM)特異IgE抗体と脾細胞培養におけるサイトカイン産生を測定し免疫寛容について検討した。尚、脾細胞培養については、コンカナバリンAとフィトヘマグルチニン刺激下のIL-4とIFN-γを測定した。
【結果・考察】アレルギー誘導前、投与前、投与中、投与中止後の各段階における総IgE抗体は、投与開始2週目で継続群は中止群より有意な高値を示したが、継続投与に伴い中止群より有意な低値を示した(p<0.01)。また、中止群は、投与中止したにも係わらず総IgE価は有意に高値を示した(p<0.05)。つぎに、OM特異IgE価については、中止群は継続群に比較して有意に高値を示した(p<0.05)。このことは先の総IgE価の結果と一致した。一方、脾細胞培養におけるTh2タイプサイトカインのIL-4については、継続群は投与2週目から低下傾向を示し、5週目では中止群より有意に低値を示した(p<0.05)。Th1タイプサイトカインのIFN-γについては、継続群は投与2週目において中止群および非投与群に対して有意に高値を示した(p<0.01)。以上、継続群は投与2週目において総IgE価およびOM特異IgE価のいずれも中止群や非投与群に比較して有意に低値を示し、さらにIL-4産生も減少し5週目で有意に低値を示した。このことから、継続群ではアレルゲン投与2週目頃から免疫寛容の誘導が起きたものと考えられた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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