研究概要 |
本研究は,数学の応用,モデリングといった視座からの実践的な研究であり,とりわけ中学校の数学の授業のあり方に焦点をしぼり研究を推進している。これまで授業で取り扱いが困難であるとされた題材の教材化を目指し,現実世界における問題を,数学の授業で積極的に取り扱おうと試行した。また,研究の方法としては,いわゆるアクションリサーチを採用している。実際の授業研究に対し,研究者として単に参与観察の立場に留まらず,指導者(授業者)として授業の構想や展開に直接的に深く関わる方法を採用する。本研究の成果をもとに博士学位論文にまとめた(平成18年3月に東北北大学より学位授与)。本研究を通して,『数学的な内容面のみならず,テクノロジーの利用,学習者の心理的な側面からの枠組みといった多元的な視点からの捉えによって,「現実世界の問題の教材化」の可能性は少なからず高まる。』を明らかにした。 なお,博士学位論文の題目と目次は次の通りである。 博士学位論文:数学教育における「現実世界の問題の教材化」に関する実践的研究 <目次> 序章 数学教育上の課題と研究の意図 第1章 数学教育における現実世界の問題の教材化 第2章 現実世界の問題の解決過程におけるテクノロジーの利用 第3章 現実世界の問題の解決過程における学習者の活動 第4章 研究I:関数分野に関わる教材「リレーの問題(その1)」 第5章 研究II:関数分野に関わる教材「リレーの問題(その2)」 第6章 研究 III:関数分野に関わる教材「卵の問題」 第7章 研究 IV:統計分野に関わる教材「肥満度の問題」 第8章 研究 V:代数分野に関わる教材「RSA暗号の問題」 終章 各章のまとめと得られた知見 引用・参考文献および資料
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