研究課題/領域番号 |
15500574
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
江森 英世 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90267526)
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研究分担者 |
森本 明 福島大学, 教育学部, 助教授 (60289791)
木村 寛 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70017953)
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キーワード | 聴覚障害児教育 / 数学教育 / 数学的コミュニケーション / 数学的概念形成 / コミュニケーション連鎖 |
研究概要 |
本研究は以下の4つの下位目標の問題解決を図る。 1.分析枠組みの構築(聴児の類型論を聴覚障害児に適応するための諸問題の解決) 2.聴覚障害児の数学学習におけるコミュニケーション連鎖の事例の収集 3.聴覚障害児の数学学習におけるコミュニケーション連鎖の同定と事例の分析 4.聴覚障害児の数学学習におけるコミュニケーション連鎖の類型論の構築 平成15年度は目標1と2についての作業をすすめてきた。目標1については、これまでの研究でわかってきた聴児による数学的コミュニケーションと聴覚障害児による数学的コミュニケーションとの特性の差違を踏まえて、理論的分析枠組みとして用いるコミュニケーション連鎖の類型論を聴覚障害児の事例に適応する際に生じることが予想される諸問題について、理論的に考察した。例えば、発言の継続性という視点で捉える活動の連続性を聴覚障害者の場合にどのように取り扱えばよいのかという問題について、文献研究などを通して、本研究の立場を明確にした。 目標2については、研究協力校となっている宮城県立ろう学校、ならびに筑波技術短期大学などの教官と連携を取りながら、事例の収集と分析を行った。聴児の場合には、声という音声刺激の送信をメッセージの送信として同定し、分析の際に困難さを伴う表情やジェスチャーなどは一切分析対象から省いてきた。しかし、聴覚障害児の場合、どの程度まで、それぞれの学習者の表情やジェスチャー、あるいは口話というものをメッセージの送信として同定するのかという問題があるため、聴覚障害児の身体的活動を細かく記録し、事例収集を行った。
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