• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

数学的モデリングを意図した授業の構成原理とそのカリキュラム開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500577
研究機関横浜国立大学

研究代表者

池田 敏和  横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70212777)

キーワード数学的モデリング / 指導目標 / 授業構成
研究概要

モデリングを熟知していない中学校第3学年の生徒を対象に,下記のような目標系列で指導内容を構成した。「(1)数学的モデルをつくって考える意味を理解する」「(2)数学的モデリングにおける特定の考え方を獲得する」「(3)多様な考え方を総合的に用いて解決する」。これを基に,グラフ電卓を導入して,全10回にわたる内容系列を開発した。また、授業構成に関しては、「対立-止揚」過程を意図的に設定した授業構成を考え,実施した。具体的には,まず,モデリングの全過程を取り扱い,生徒が部分を考えながら全体を見渡し,全体を考えながら部分を振り返れるように配慮する。ただし,全ての過程を同程度に強調するのではなく,授業のねらいとして設定した鍵となる考えを生徒の討論すべき論点として設定し,教師と生徒,生徒同士のやりとりから,「対立-止揚」過程を通してそれが導かれるような場面設定,発問を考えていく。そして,意図した「対立」へと生徒を追い込むために,教師は,生徒から出された考えに寄り添いながら,その考えを否定する考えを生徒のつぶやきからひろったり,あるいは,教師自身が問いかけていく必要がある。「対立」を集団の中で共通理解できれば,鍵となる考えが,どのような背景からどのように引き出されるのかを理解することが可能になる。ここに,「対立-止揚」過程を集団の中で共有しながら進めていくよさがある。ただし,「対立」を止揚した鍵となる考えについては,期待通りに引き出されるとは限らない。教師と生徒では,現象を見る視点が異なることを受け止め,意図した考えとは異なっても,一つ一つ検討しながら,鍵となる考えへとつながる発問をしていくことが重要である。ただし,これらの結果は,本研究で取り扱った特定の題材において導かれたことであるため,教師の指導力や学級の要因等を考慮に入れながら,別の課題でさらに研究を進めていく必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Toshikazu Ikeda, Max Stephens: "Comparing an Analytical Approach and a Constructive Approach to Modelling"Mathematical Modelling : A way of Life Edited by Susan J.Lamon et al.. (Horwood Publishing). 201-211 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi