研究概要 |
本年度は,前年度に協力校で試行的に実践した成果をもとに,朝倉が中心となり活動プログラムの評価・改善を行った。さらに,竹下,古賀,山崎により収集された新たな環境データを取り入れた活動プログラムのモデルを構築した。改善されたモデルプラグラムを基盤とした活動に,広島県の黒瀬川流域圏から協力校を募り,小学校1校および中学校1校を選定して実践を行った。実践に際しては生物分野では竹下が,化学分野では古賀が,地学分野では山崎が中心に支援した。各校における活動では,それぞれのニーズに合わせたプログラムの改変が必要であったが,各校の授業目標に即した内容で実践を行った。小学校では,総合的学習の時間の一環として,身の回りの環境について環境レポートをまとめる題材に黒瀬川を扱い,生物的・化学的・地学的・社会的側面から環境学習を実践し,環境について考察させた。中学校では,主として生物的・化学的側面から分析的内容も取り入れた学習を行った。 また本実践は,各校の活動内容や成果を相互に情報交換することにより,より効果的な展開となる。そのために本研究では,活動地点が地図上にプロットされ,データの参照,調査方法の解説やより高度な専門的内容の解説,さまざまな環境学習実践例や実践プログラム案,各校の取り組みやその地域の紹介まで盛り込まれた河川環境マップをWEBページとして作成している。そこには各校が活動した内容を順次掲載し,お互いにリアルタイムで比較し合えるシステムを構築している。本年度においては,各実践校にWEBページを常時閲覧できる環境が整備されていないため,その代替策として,手紙によって情報交換を行った。 なお、本研究の成果は研究論文によって公表した。
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