1 ディジタル天体観測システムの構築 宇宙・天文分野の教育のため、科研費により口径35cmのシュミットカセグレン式望遠鏡を導入しインターネット天文台とする計画を進めている。システム詳細を検討・設計し、3月31、設置する機器の保護のために必要不可欠な施設である縦2m×横4mのスライディングルーフを(昨年10月の科研費内示と前後して計画が認められた)本校教育充実設備費にて校舎屋上へ設置した。この中に35cm望遠鏡を設置し、電気工事とLANケーブル配線工事も行っている。現在はルーフを開けて、アイピースから覗いて通常の天体観測ができる状態になっている。早速、4月23日には小中学生を対象とした金星・火星・木星・土星を観望する公開講座を実施予定である。また、4月中には科研費等により準備した、ルーフと望遠鏡の制御BOX・冷却CCDカメラ・ガイドスコープ・制御用PC等が揃い、インターネット天文台としての第一段階のシステムが完成する。続いて、太陽のプロミネンス・フレア等を観測するための口径4cmの太陽望遠鏡も35cm望遠鏡の鏡筒に取り付けられ、第二段階のシステムが完成する。16年度には、システム構築の報告、さらに教育への活用事例報告書の業績も見込まれる。 2 視覚化プログラムの開発 15年度の業績として、宇宙初期の相転移や中性子星内部の高密度状態に関連した最新の計算機シミュレーションによる成果がある。16年度は天文を含む物理現象についてJava言語やFlashによるシミュレーションプログラムを作成する。 3 カリキュラムの検討 15年度の検討の結果、16年度は本校商船学科2年生の物理の中に宇宙・天文分野を組み込んだ授業を行う予定である。その際、実験として、昼間の授業中に物理実験室PCからネットワーク経由で屋上の天文台を操作し、太陽望遠鏡により太陽を観測する計画である。
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