研究課題/領域番号 |
15500619
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
寺西 和子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80030039)
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研究分担者 |
梅田 恭子 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (70345940)
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キーワード | ポートフォリオ評価 / 評価基準 / ルーブリックづくり / デジタルポートフォリオ / 相互評価 / 自己評価 / 授業づくり / 基準創出型ポートフォリオ |
研究概要 |
「ポートフォリオ評価の実証的研究(その2)」は3年間の研究予定であり、今年度は、初年度であることから現在までの外国および国内のポートフォリオ評価についての主な研究および実践の状況について検討してまとめた。 1)教科学習とポートフォリオ評価についての理論研究と検討 これまでのポートフォリオ評価について、「授業づくり」と「ルーブリックづくり」を結合させる「基準創出型ポートフォリオ」についての理論を開発し明らかにした。それをまとめ「教育方法学会誌32」に掲載した。(このことは、デジタル・ポートフォリオが子どもの作品・学びにかかわる資料の単なる「データベース」に終わらせないためにも重要な観点である。) 2)デジタル・ポートフォリオ実践の現在の状況の整理・検討とそのシステムについての理解 (1)アメリカのスタンフォード学習革新センター(Stanford Center for Innovation in Learning)訪問。研究センターのシステムについての説明と具体的な大学生Aさんのe-folioの作成と自己評価の方法等について説明を受ける。(研究の実情としては、ハード等の機械は整備されているが、まだアイディアの段階でそれほど研究は進行していない様子であった。) (2)愛知県下のA大学でのデジタル・ポートフォリオ実践とそのシステム 大学生を対象とした講義・演習のデジタル・ポートフォリオのシステム開発とその問題点について情報を得る。学生の学籍番号と個人情報、レポートの自己評価・相互評価の実施状況。 (3)小学校の実践校を訪問し子どもがコンピュータを発信手段として使いこなすための基礎スキル(小学校3年生)の獲得のプログラムと子どもの学びの累積のためのデジタル・システムの情報を得た。個人のデータベース機能としてよくデザイン化されてはいるが、ポートフォリオ評価という観点を一層明確にして、授業づくりやルーブリックづくりとの関係でそのシステムを精緻化していくことが実践的にも、開発的にも今後の課題である。校内イントラネットとして個人情報保護を意識化した上でのデジタル・ポートフォリオの開発の必要性。 来年度から試行的に、小学校で実践研究を実施していくための研究の枠組みと協力校を開発できた。
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