1.研究目的 本研究では、筆者らがこれまで進めてきた情報発信型教育において、「学習者の自己評価・相互評価」をWeb上で、即時にフィードバックし、学習プロセス・成果を評価するシステムを開発・改善することを目的とする。さらに、これを複数の地点で、学習者がネットワークを利用して学習成果を互いに発信・交流しながら学習を進めていく「広域参画型学習」へ適用しようとするものである。 2.研究経過と成果 (1)情報表現作品のWeb評価システムの改善 学習者が、情報表現作品を相互評価し、それをWebページから入力することで、即時に結果がフィードバックできる評価システムを開発し、アンケート調査により、この評価システムの有効性や改善点を分析した。また、普通教室で同様の評価を行うため、OMRを用いても相互評価できるようにシステムを拡張した。 (2)情報表現作品の評価データの収集と分析の継続 筆者らが担当する情報教育関連授業において、上記(1)の評価システムを使って、情報表現作品に対して中間段階および最終段階での学習者の相互評価、および自己評価データを収集した。評価データの即時フィードバックの効果を検証することができた。 (3)「広域参画型学習」に向けての試行実践 「広域参画型学習」への適用を念頭に、まず手始めに、研究会のストリーミング配信、「総合的な学習の時間」におけるテレビ会議ステムを活用した交流学習などを試行した。ハードウェア、ソフトウェア技術は整いつつあるが、日常的な実践には、より手軽なシステム、活用のノウハウが必要である。
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