平成17年度は、理論的研究をもとに、進路決定の条件を基にしたテストとシステムの試作を引き続きおこなった。前年度の研究を基にして、進路決定への動機づけについて、課題の捉え方を測定する尺度として、「責任性」「目的意識性」「時間的制約」「重要性」「明瞭性」を用いたテストを開発した。これについては国内の学会で発表をおこなった。さらにこれらのテストについては、システムに組み込み、事前を知るとともに、事後の状態を測定し、システムの評価をおこなうために用いる予定である。 次に、進路決定の関心度を高めるためのプログラムとして、新1年生に「キャリアデザイン」という協同学習の場である授業実践をおこなった。その中では、進路決定の重要性を学ぶこと、将来に考えるためにどのような知識や手順が必要であるかということを学習した。この実践の結果としては、全体的評価として、特に、関心度と明瞭性および、責任性についての認識が深まることがわかった。しかしながら、事前の状態において、関心度が低い学生については問題が残ることがわかった。 さらにこれらの一部については、大学のe-LearningシステムのWebCT上に支援プログラムを構築し、実践したが、本格的な評価には至っていないので、これは今後の課題である。 今後は、協同学習と個別のe-Learningとの併用を目指して、どのようにしたらより学習効果の高い支援システムになるかということを検討していきたい。
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