初年度より継続した活動は、(1)代表者・分担者が担当する授業のティーチング・ポートフォリオの蓄積と授業トピックと学生理解度の関連を調査によって明らかにする効率的な手段の試作と運用評価を行った。結果、毎回実施する授業評価調査アンケート用紙のフォームの共通点と相違点が明らかになり、総括的評価調査の統一化ができた。また、(2)授業内容の妥当性を検証する機会として教材の開発と学生評価方法の開発を2授業者が協調して行い、その作業過程を分析した。 2年目である本年は、学生への課題とその評価方法について授業者間でどのような相違があり、それについてどのような授業観、学生間があるのかを実際の授業を相互参観して、直後の検討会で分析した。また、相互参観のおり、観察者が授業者に、直前の教授内容や指示の仕方について直接、質問をする直接介入を3度試みた。その結果、授業者の教授意図や判断条件の抽出に効果的であり、次年度は授業者と観察者間でトランシーバを用いてさらに頻度の高い直接介入を試みることとした。 以上の結果、中間的に得られた知見を一橋大学FD研修会、駒澤大学FD研修会、城西大学経営学部FD研究会で紹介し、他学他領域の授業者からの意見を聴取した。 さらに、大学教員の教育・研究に対する意識の重要度を比較するアンケート調査を継続し、本研究で得られるであろう授業評価を活用した複数教員による授業開発の効果的な実施時期を推測するための分析を進めている。
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