本研究の目的は、環境教育に衛星リモートセンシングデータとWeb-GISを活用して、教育現場で活用可能な野外体験学習支援システムを構築することである。本研究では、GPS(Global Positioning System)を用いて観測位置を同定し、その位置座標でデータベースを検索し、その場所に関連する環境情報(例えば、その場所付近の衛星リモートセンシング画像など)をWeb-GISから引き出せるようなシステム(環境情報データベース)を構築する。 本年度は下記内容の研究を実施した。 1)教材への応用を前提とした衛星リモートセンシング画像データの解析 Terra/ASTER衛星画像データを解析し、環境情報データを作成した。 2)スカイラジオメータによる地上から大気観測を実施 前年度に引き続きスカイラジオメータを用いて大気観測を実施し、石川県の大気の日々の状況をデータとしてまとめた。また、この大気観測で得た情報に基づいて衛星リモートセンシング画像データを大気補正に必要な光学パラメータ推定に関する研究を推進した。 3)気温・湿度データロガーによる金沢市内の気温・湿度観測を実施 金沢市内中心部に33カ所に気温・湿度データロガーを設置し、夏季の地方都市のヒートアイランド現象の状況を調査した。 4)野外体験学習支援用のWeb-GISシステムの開発 前年度に引き続き衛星画像データ解析ツールソフト(インフォサーブ社)を用いてWeb-GISシステムの基盤部分を開発した。さらに、上記3)のデータを本システムに活用しWebから参照できるようにした。
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