既存の文化を超えた創造的な学びを「状況に埋め込まれた、分散協調的、創発的なプロセス」と捉え、参加者もまわりも相互浸透的に変容する状況が立ち現れてくることを重視した「Playfulな学びの空間」として、8月に夏季English Playshopを、11月に岐阜市立加納小学校において音楽ワークショップを企画、実施した。その結果、様々な学習観、表現観の変容が観察された(宮田他、2004)。様々な場面で、参加者の意識が「正解を出す事」から「自分が何かを学ぶ事」へとシフトし、それまでの価値観を包容しつつ超えていく体験により、新しい自分と世界との関わり方を発見した。他者との関係性についても「他者に評価される」ことから「他者と自分の表現を重ね合わせて新しい意味を作り出す」ことにシフトする傾向があった。7月に日本・韓国・台湾などの高校・大学間の連携・発表を行ったWorld Youth Meetingに参画し、コミュニケーションのサポートを行った。長期間の異文化連携プロジェクトにおける参加者の発言の分析では、「他者と切り離された存在」から「他者と関わりながら意味を創発していく存在」へ、という自分観の変容と解釈できる変化が観察された。これらの成果を元に、異文化連携の三段階モデルを検討し、特に第二段階の継続のデザインについての知見をまとめた。(宮田他、2004)またI-ring、Hiroba、I-chat、Postitなどのオンライン・コミュニケーションツールを改良し、新たにこれらを統合したNoBoundaryなどのツールを開発した。また、リフレクション手法、特に非言語的表現を重視したリフレクション画やヴィジュアルKJ法などを開発した。
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