研究概要 |
高等学校教科「情報」の教員養成が多くの大学で開始されている。教員養成課程の重要科目である「情報科教育法」では模擬授業を行うことも多い。教科「情報」は平成15年4月から開始されたところであり,情報科教育法の担当教員の多くは高校の教科「情報」の授業に参加した経験がない。そのため,模擬授業を適切に評価することは難しい。そこで,授業動画つき指導計画を遠隔地間で評価・修正する目的で開発した「非同期型遠隔評価システム」用いて,教科「情報」を担当している高校教員に模擬授業の評価を依頼した。その結果,評価を依頼された高校の教師から,本システムに関し,「楽しんで評価ができた」「使い易い」といった評価を受けた。また,本システムを用いて自分の模擬授業を評価してもらった教員養成課程の学生からは,「授業映像とスライドファイルの時刻に同期したコメントをもらったため,分かり易かった。」「現場の先生の意見を聞けて参考になった。」「学生の相互評価とは違って授業内容に関することなので,授業のやり方の勉強になった。」など,特に授業内容,授業進行,教材作成について的確な指導がなされたことが判った。 一方,研究参加校のネットワーク事情の違いにより,本研究の平成15年度実施計画における"インターネット・サーバーを経由した評価・修正・再評価活動"が,予定どうりに実施できないという問題が生じた。特に評価を依頼した高校では,外部からの動画ストリーミングを受信制限しているということが判り,動画ファイルを一旦クライアント機にダウンロードして閲覧する必要が生じた。そのため,随時模擬授業をアップロードして評価することはせず,全員の模擬授業が終了してから一括して(564Mバイト)行うことにした。動画の圧縮方式や画像サイズの見直し,ファイル伝送方式の見直しを含め,平成16年度の検討課題となった。
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