研究概要 |
聴覚障害者と健聴者に対して,視覚情報に対する感性認知的特性を抽出するために,眼球運動を調べる実験を実施した. 実験1:Web上でのタスク遂行実験;「車のカラーバリエーションを選択する」 目的:聴覚障害者にとってアクセシブルなWebコンテンツ制作のための,デザインガイドライン整備につながる感性認知特性を抽出する. 結果:ウェブ利用における聴覚障害者と健聴者の特性の違いがわかった. 1)聴覚障害者がテキスト情報を理解するレベルは健聴者より浅い. 2)聴覚障害者のスキャンパスは,健聴者のものと比較して戦略性が見られない. 聴覚障害者にとってアクセシブルなWebウェブコンテンツを実現するためには,テキスト・手話などによる音声情報補償の考え方だけでは不十分であることを意味している. 実験2:文字認知と空間認知の探索実験;5つのアルファベットを提示して内容を記憶する実験 目的:聴覚障害者の視覚情報の基本的認知特性を探索する. 結果:聴覚障害者は文字情報も空間的に認知する傾向がある. 聴覚障害者の視覚情報に対する感性認知的特性は,視覚情報を直感的に写像的に理解していると考えられる.文字情報の場合も関連した知識も利用するというよりは,標記からのダイレクトな利用が主体である. 視覚障害に関する調査結果は,3時間×6回の学内講習会の中で,学内ホームページ制作担当者10人に対して,「アクセシブルなホームページづくり」として教示した. 要旨:今年実現されたJIS化をはじめ,Webアクセシビリティに取り組まなくてはならない法的根拠等について,本学の立場も交えて説明する.また,各種チェックツールや音声ブラウザ等を紹介し,実際にどのように運用していかなくてはならないのか体験・学習する.
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