研究概要 |
1.環境学習システムの開発と評価 地元の生活に密接な関係のある「宍道湖」を題材とした、環境学習システムを開発した。環境問題についてのインターネットを使った効果的な学習システムはまだ少ない.我々は学習者にとって身近な地元の,宍道湖の水と生物に関する環境学習システムの開発を行った.このシステムは,3Dグラフィックスを用いた水中のシミュレーションと,XMLで作成した環境学習データベースの検索機能で構成した。 このシステムを20名の学生に使ってもらい,アンケートで評価して高い評価を得ることができた.特に「親しみやすさ」に対する評価が高かった.身近な地元の「宍道湖」を扱ったことがその要因と考えられる.グラフィックスの効果についても80%が良いと答えた.検索方法として,「フィーリング検索」が高い評価を得た.この評価から,今後さらに環境学習システムとして効果を上げていくための考察を行った.そしての3つの課題を取り上げ,それらの解決方法について考察した. 2.歴史学習システムの開発 松江市は歴史的な史跡が多いため,多くの観光客が訪れ最近は外国人も多い.しかしインターネットで提供されている,観光情報は,2D表現で観光客にはあまり興味を引かないものであり,また外国人には日本語の情報でほとんど理解ができない.そこでバイリンガルな3D歴史学習システムによって,より興味を引く3D表現の内容とし,外国人にも理解できるバイリンガルな表現で情報を提供できると良い.そこで松江城の堀を船で遊覧する「堀川遊覧」を素材として,周辺の松江城,ヘルン旧居,武家屋敷などを3Dかつバイリンガルでインターネットから提供できるシステムの開発を行なった.本システムは遊覧船をアバターとして,城の周辺をカーソルキーで移動し,3Dで見ることができる.堀の他の遊覧船や周辺の遊覧バスがアバターの視点から動いて見える.城門があってデータベースとリンクしておりマウスでクリックすると別ウインドウで見ることができる. 3D表現はJava3Dのプログラミング技術で開発し,Java3Dのシーングラフによって3D空間を構成した.物体側のツリーで仮想空間の物体を表現し,現在は城,船,バスを作っている.ビュー側のツリーで視点、の設定を行い,現在のアバターの視点と外部視点を持つ.複雑な城の立体はShape3Dのオブジェクトの組合せで作成した.アニメーションにはInterpolatorを使い,アルファ値に応じて座標,方向を設定し実現した.城門をクリックしてデータベースを開く換作はマウスピッキングによって行った.バイリンガルな表現はXMLによるデータベースで考えているが,当面はJavaとHTMLで開発した.
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