研究概要 |
1.環境学習システムの開発と評価 環境問題についてのインターネットを使った効果的な学習システムは少ないため,地元の生活に密接な関係のある環境学習システムを開発した。学習者にとって身近な,地元の宍道湖の水と生物に関する環境学習システムの開発を行った.学習効果を上げるため,3Dグラフィックスを用いた水中のシミュレーションと,XMLで作成した環境学習データベースの検索機能で構成した. 3DグラフィックスはJava3D言語によって実装した.これにより前年度よりリアリティのあるの3D表示が可能となった.水質パラメータのシミュレーションも精度を高めることが出来た.ユーザが大人用と子供用を選択して使えるようにXMLデータベースを構成した。 2.歴史学習システムの開発 松江市は歴史的な史跡が多いため,多くの観光客が訪れ最近は外国人も多い.しかしインターネットで提供されている観光情報は,2D表現で観光客にはあまり興味を引かないものであり,また外国人には日本語の情報でほとんど理解ができない.そこでマルチリンガルな3D歴史学習システムによって,より興味を引く3D表現の内容とし,外国人にも理解できるマルチリンガルな表現で情報を提供できると良い.そこで松江城の堀を船で遊覧する「堀川遊覧」を素材として,周辺の松江城,ヘルン旧居,武家屋敷などを3Dかつマルチリンガルでインターネットから提供できるシステムの開発を行なった.本システムは遊覧船をアバターとして,城の周辺をカーソルキーで移動し,3Dで見ることができる.堀の他の遊覧船や周辺の遊覧バスがアバターの視点から動いて見える.城門があってデータベースとリンクしており,マウスでクリックすると別ウィンドウで見ることができる.現地では携帯電話を使い,GPSにより得た情報をサーバに送り,その場所の史跡情報をサーバから受けて使うことができる. 3D表現はJava3Dのプログラミング技術で開発し,Java3Dのシーングラフによって3D空間を構成した.物体側のツリーで仮想空間の物体を表現し,城,船,バスを動かしている.サーバには地図情報と史跡情報データベースを置き,携帯電話と交信させている.
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