デジタル音声問題においても模式図やグラフ等、図を含む問題も文章題と同様、出題可能にするためタブレット・コンピュータ方式の音声問題出題システムを試作している。中途失明者には図は点字プリンタ・プロッタで解読図を印刷し、タブレット・コンピュータ上に提示する。図の各部の名称等、図中の文字情報は、被験者がその箇所を電子ペンでタッチすれば音声で表示するように設計した。一方、学習障害者には図はタブレット・コンピュータの液晶画面上に表示する。図中の文字情報はその箇所を電子ペンでタッチすれば音声で表示する。文章は視覚障害者用デジタル音声機器の世界標準であるDAISY(Digital Audio Information System)で出題する。 通常の問題からデジタル音声問題作成の手順を組織化した。まず同音異義語や読みが複数ある語、および音声では理解しがたい語には適切な注を加筆して音声原稿を作成する。また、DAISY方式の特徴を最大限活用して試験問題をその文章構造に基づいてスムーズに読めるようにした。段落や文および音節単位に読み返しや読み飛ばしを可能にしたり、設問から当該下線部や空欄箇所に即座に飛んだりできるようにするため、問題文にインデックスを付け、試験問題をデジタル編集した。 デジタル音声問題と点字問題及び通常の文字問題とを比較するため、視覚障害受験生8名及び健常受験生20名を被験者としてテスト・データ収集実験を実施した。 現在、収集されたテスト・データの分析を進めている。
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