研究課題
基盤研究(C)
通常の文字認知に障害を有する学習障害者及び中途失明者の大学入試センター試験の受験を可能にするため、図の出題を可能にすると共に問題の文書構造を把握しながら解答できるタブレットPC方式のデジタル音声問題出題システムを開発した。平成15年度までに開発した視覚障害者のための音声機器の世界標準規格であるDAISY(Digital Audio Information System)方式の音声問題は文章題の出題は可能である。しかし、問題の文書構造や図の把握が困難であった。このため、学習障害者に対しては、問題は問題の文書構造だけをタブレットPCの液晶タブレット画面上に記号で表示する。受験生が当該文書構造の要素を電子ペンのペン先でタッチするとその箇所からデジタル音声で読み上げる。また、電子ペンのペン先の反対側のテール・スイッチで解答番号と選択肢番号をタッチすれば解答することができる。一方、中途失明者に対しては、タブレットPCに外付けのタブレットとテンキーボードを接続して出題システムを構築した。問題の文書構造を点字印刷し、図も点字触読図として点字印刷し、タブレット上に提示する。テスト・データ収集実験により開発したDAISY方式とタブレットPC方式のデジタル音声問題を評価した。テスト・メディアの要因は、点字問題・DAISY方式の音声問題・タブレットPC方式の音声問題・点字問題とタブレットPC方式の音声問題のマルチモーダル方式の4水準である。被験者は視覚障害者が12名、健常者が29名であった。分析の結果、タブレットPC方式のデジタル音声問題は、学習障害者及び中途失明者に対するテスト・メディアとして点字問題と同等のテスト・メディアであることが見出された。また、DAISY方式のデジタル音声問題は点字及びタブレットPC方式のテスト・メディアと比較して若干問題があることが見出された。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)
大学入試研究ジャーナル 第15号
ページ: 27-34
Journal of Research on University Admission Test No.15
National Center for University Entrance Examinations (Research Group of Unified Japanese Braille Code (ed.))
ページ: 1-140
大学入試研究ジャーナル 第14号
ページ: 15-24
Journal of Research on University Admission Test No.14