1.シリア出土資料のうちテル・マストゥーマ出土遺物を中心に実測原図を選出し、コンピュータトレースによる図像化の作業を集中して行った。原図のトレース及びデータベース化の作業は次年度も継続して行う。 2.研究支援者の和田久彦によりテル・マストゥーマのコンピュータトレースした出土資料が纏められ、その成果の一部が「The Pottery and the Remains of Stratum 0 (Achamenid Parsian period) at Tell Mastuma in Northwest Syria」として古代オリエント博物館紀要で公表された。最上層のアケメネス朝時代のマストゥーマは、地理的位置、集落の規模、馬の埋葬、出土遺物などから宿駅の一つとして捉えることができた。さらにシリアではこの時代の報告が少なく、マストゥーマの資料公表が予想以上に重要であることが判った。 3.イラク戦争の波及、パレスチナ情勢の不安定化を考慮して、テル・マストゥーマ出土資料が保管されているイドリブ博物館での資料整理は次年度に延期した。作業量が膨大なコンピュータトレースによる図像化作業を優先して行った。 4.アケメネス朝時代に並行する時期を中心に発掘報告書の購入及び関連図書の複写を行った。文献目録の作成は次年度も継続していく。
|