研究概要 |
2002年夏季に諏訪湖で行なった衛星リモートセンシング画像の撮影と同期した水質データの観測,および衛星リモートセンシングデータと水質データとの関連解析を実施する計画であったが,Landsat-7号の画像が不調であったことや,2003年夏季の天候等の事情により,同時観測を実施できなかったため,平成15(2003)年度には諏訪湖において水質観測を3回実施し,2002年夏季のデータと併せて多変量解析により水質分布を解析した。得られた結果は,諏訪湖の水質分布の特徴を解析し,衛星リモートセンシングデータ解析のための基礎データとして利用できる。 2003年夏季3日分の観測から,「SS(懸濁物質),Chl-a(クロロフィルa),水温が大きい所では,透明度が小さく,SS,Chl-a,水温が小さい所では,透明度が大きい」傾向があり,これらの特徴を示す地域を区分した。 2002年9月2日の観測から,「SS,Chl-aが大きい所では,透明度,水温が小さく,SS,Chl-aが小さい所では,透明度,水温が大きい。」傾向があり,これらの特徴を示す地域を区分した。 2003年3日と2002年1日の計4日間のデータ解析であるので,今回の結果がどの程度普遍性を有するかについて,さらに事例を増やして検証する必要がある。 2003年8月はアオコの発生を抑制する気象条件(平年よりも低温で降水量が多く日照時間が短い)であり,2002年8月はアオコの発生を促進する気象条件(平年より高温で降水量が少なく日照時間が長い)であった。Chl-a量の変動は気象条件を反映していることを確認した。 天竜川下流部の猪鼻湖においても水質調査を実施し,湖岸状況により水質分布に違いが見られることを確認した。
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