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2003 年度 実績報告書

屋久島における河谷地形と土砂移動プロセスに基づいた河川の類型に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15500691
研究機関立正大学

研究代表者

島津 弘  立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (90251909)

キーワード山地河川 / 土砂移動プロセス / 起伏構造 / DEM / 水系網 / 土石流 / 天然ダム / 屋久島
研究概要

急速に隆起する山地における河谷の発達を明らかにする基礎資料として,独立山地と見なせる離島である鹿児島県の屋久島において,河谷地形と河床堆積物の調査分析を行った.まず,デジタル標高モデルから起伏分布を計算し,屋久島の地形的特質を明らかにした.次に,現地調査と空中写真の解析から,河床堆積物の大きさと分布を明らかにした.また,地形図をもとに流域形状,水系分布の地形計測を行い,流域の地形特性値を算出した.以上から明らかになったことは次の通り.屋久島は日本の山地とほぼ同様の標高-起伏の関係を持っている.しかし,その構造は一般の日本の山地とは異なっており,標高が中程度の部分における起伏がきわめて大きくなり,標高が高くなるほど起伏が小さくなる.屋久島の多くの河川の河床には1mを超える巨大礫が分布している.礫径と河床勾配の関係を調べると,日本の他の河川と比べて同じ勾配でも礫径が大きい.また,いくつかの河川においては河床勾配が小さいにもかかわらず,2mを超える巨大礫が分布している.一方,河川を源流の位置,流域の地形特性値から分類すると,屋久島の河川は中心部の高標高,小起伏の地域から流出する流域面積が大きく流域勾配の緩い河川と,中標高,高起伏の周辺地域から流出する流域面積が小さく流域勾配が急な河川の2タイプに分類できる.前述の河床勾配に比較して特に巨大な河床礫が分布する河川は,前者のタイプの河川に相当する.これらの河川は,流路途中で高起伏域を横切るため,長大で急峻な谷壁斜面を持つとともに,その区間で急勾配の支流を合流する.この地域における巨大岩塊の生産とその流入による天然ダムの形成・決壊が,河床勾配が比較的緩やかな地域における巨大河床堆積物の形成に寄与していることが予測される.

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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