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2004 年度 実績報告書

完新世における琵琶湖水位変動の復元

研究課題

研究課題/領域番号 15500696
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

小松原 琢  独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門・島弧堆積盆研究グループ, 主任研究員 (50357026)

研究分担者 宮本 真二  滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部・環境史研究領域, 学芸員 (60359271)
キーワード琵琶弧 / 環境変遷 / 水位変動 / 水辺環境 / 地殻変動 / 気候変化
研究概要

彦根市曽根沼,湖北町尾上,高月町西野,高島市新旭町木津の4地点で深度5〜10mのボーリングを行い,コア観察と火山灰分析,および放射性炭素同位対比年代測定を行った.その結果,曽根沼と木津においては連続的なイネ科植物を主体とする腐植質堆積物のコアが得られ,堆積年代と埋没深度の関係を明らかにすることができた.この2地点では,共に約2000年前に急激な腐植の堆積が生じたこと,過去6000年間を通じて曽根沼の方が木津に比べて堆積速度が小さいこと,が明らかになった.このことは過去6000年間にわたって両地域がほぼ継続して水辺環境にあったこと,琵琶湖の湖水位は短期的な上下変動を含みつつも長期的には上昇傾向にあったこと,約2000年前およびそれ以前に湖西(木津)を湖東(曽根沼)に比べて大きく沈降させる地殻変動が生じたことを示唆している.また連続的に腐植質堆積物が堆積していることから,相対的水位上昇に対して腐植の形成は常にほぼ追いついていたと考えられる.湖西を湖東に比べて大きく沈降させる地殻変動は,琵琶湖西岸活断層帯の活動に伴うものと考えられ,琵琶湖沿岸各地の遺跡で見出されている弥生時代中期の液状化跡と共に,この時代に琵琶湖西岸活断層帯が活動した可能性があることを示唆する.西野地区では閉塞凹地を埋めるように厚さ6m程度の腐植ないし粘土が堆積しており,少なくとも過去4000年にわたって湖沼的環境が続いたことを示すものと考えられる.尾上地区では水深4mの湖底段丘面と同高度以下に砂礫層,その上位に釣2000年前の年代を示す植物片を含む粘性土主体の堆積物が確認され,湖底段丘面は約2000年前以前の河成作用によって作られたこと,その後現在の尾上内湖が形成されたこと,が明らかになった.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 野洲側下流域平野,古高・経田遺跡における堆積物の層相と年代-生産遺構の成立基盤としての地形環境変遷-2005

    • 著者名/発表者名
      宮本真二, 小松原琢, 河角龍典, 原澤亮太, 大塚夏子
    • 雑誌名

      古高・経田遺跡発掘調査概要報告書(守山市教育委員会)

      ページ: 40-44

  • [図書] 木津地域の地形環境 「中世の村落と環境-山門領近江国木津荘-」(水野章二編)2004

    • 著者名/発表者名
      宮本真二
    • 総ページ数
      392
    • 出版者
      思文閣出版

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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