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2005 年度 実績報告書

河川および海洋中の低分子カルボニル化合物の高感度検出とその光化学的生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15510002
研究機関広島大学

研究代表者

竹田 一彦  広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (00236465)

キーワードカルボニル化合 / 光化学過程 / 天然水 / オンライン濃縮HPLC / ミネラルウォーター
研究概要

昨年度までに開発した低分子カルボニル化合物の超高感度オンライン濃縮HPLCシステムを用いて、本年度(17年度)は河川水、海水中、ため池でのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グリオキサール、アセトンの5つのカルボニル化合物を定量し、その光化学的生成過程・分解過程などの動態を明らかにした。
河川水として広島県西部の太田川で採水した河川水中の低分子カルボニル化合物を測定したところ、これらの化合物の濃度は上流では低濃度で、下流域の広島市内ではその濃度は上昇した。大学内のため池での測定では低分子カルボニル化合物は日中濃度が上昇し、夜間に濃度が低くなることがわかった。また、瀬戸内海西部の広島湾では海水表層での濃度が高くなることがわかった。これらのフィールドでの結果を総合的に考察し、水圏での低分子カルボニル化合物の濃度には、1)水相での低分子カルボニル化合物の光化学的生成、2)気相(大気)との交換、3)生物による分解・代謝、が関わっていると考え、これらそれぞれについて個別に評価し、天然水中での動態について考察した。
その結果、ホルムアルデヒドの水圏での主な起源は大気から水相へのとけ込みと水相での光化学的反応で、生物的分解が中程度であるため、今回測定した5つのカルボニル化合物の中でもっとも高い濃度で検出されたのではないかと推測された。一方、アセトアルデヒドの起源は主に水相での光化学的反応のみで、生物的分解が速いために、水相での濃度が他のカルボニル化合物に比べ低いことがわかった。また、プロピオンアルデヒドは光化学的生成速度が小さい上に生物的分解が早いために、河川水や海水ではほとんど検出されないこと、逆に、グリオキサールは光化学的生成速度が小さいが生物的分解が著しく遅いために、天然水中での濃度はホルムアルデヒドに続いて高いことなどがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 河川水における溶存化学成分からのヒドロキシルラジカルの光化学的生成に関する研究2005

    • 著者名/発表者名
      竹田一彦, 遠藤宏隆, 中谷暢丈, 佐久川弘
    • 雑誌名

      水環境学会誌 28

      ページ: 509-513

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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