研究課題/領域番号 |
15510009
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研究機関 | 北海道工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 勝裕 北海道工業大学, 工学部, 教授 (10048035)
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研究分担者 |
佐々木 正巳 北海道工業大学, 工学部, 教授 (70196179)
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キーワード | リモートセンシング / 積雪 / 極域 / マイクロ波放射計 / 合成開口レーダ / MSR / AMSR / L-band SAR |
研究概要 |
衛星に搭載されたマイクロ波放射計と合成開口レーダが積雪を観測したデータの解析手法を開発し、積雪物理量の推定を試みてきた。また、この手法を極域の氷床や海氷を覆う積雪にも適用できるように工夫してきた。推定しようとする物理量は積雪の深さ、層の数、粒径、密度、含水率であるが、それぞれの衛星センサの方式と性能により推定できる物理量の数と精度に違いが生じる。精度は違っても共通に推定できる物理量を見出し、極域における積雪の長期的な動態を知る方法を実証的に明らかにすることが本研究の目的である。 衛星マイクロ波放射計については、MOS-1のMSRとADEOS-2のAMSRを検討対象とした。まず、北海道のMSR観測データから積雪表面における放射率を求める方法を考案した。求めた2週波数の放射率から、3つの物理量(深さ、粒径、密度)の推定を行うアルゴリズムを開発し、結果が地上の積雪状況に合うことを確かめた。また、地上データの無い極域で取得されたMSR観測データに対しても適用可能であることを確かめた。AMSRは、多くの物理量を精度よく推定できる見込みがあったが、短期間で観測を終えたため、開発したアルゴリズムの有効性を十分に検証できなかった。 衛星搭載合成開口レーダについては、L-bandの周波数を利用し、高い地表分解能が得られるJERS-1のSAR(入射角固定)とALOSのPALSAR(入射角可変)を検討対象とした。これらの衛星観測データから、北海道や極域の積雪を対象に、深さと密度を推定する二つの手法を開発した。二つの手法の有効性を検証するため、PALSARと同等の性能を有するPi-SARによる航空機観測実験と地上観測実験を、2004年と2005年の積雪期に北海道で実施した。実験データを解析したところ、極域の衛星観測データを解析する際に必要な貴重な資料と検討を要するいくつかの知見を得ることができた。
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