研究課題
基盤研究(C)
1999年、新たな気象学的年次現象、インディアン・オーシャン・ダイポール・モ-ード(IODM)がインド洋にて発見された。この現象は、エル・ニーニョ現象と共に生じ、数ヶ月間、インド洋赤道域の東半分を湧昇エリアへと変化させた。この現象から、東部熱帯インド洋域は近年、重要な気象エリアとして認識されるようになった。この研究の目的は、1997年9月〜2003年12月までのマルチセンサ・リモートセンシング時系列データ(海面高度(SSH)、海面風応力、海表面水温(SST)、クロロフィル-a(Chl-a))を使用し、ジャワ・スマトラ島、北西オーストラリア間に於ける湧昇現象の季節、年次変動を理解する事である。我々の研究の焦点は、IODMとENSOの様な、海洋大気に於ける気象学的変動の最中に、そのエリアの中規模の海洋学的プロセスに応じてく物理学的な、又は生物学的な変化を観測する事である。我々の研究結果は、東部熱帯インド洋が、南東モンスーンが吹く間の湧昇現象の発生に関係する、最大のSST、SSH変化、そして風応力を持っ事を示した。1997〜98年に於けるエル・ニーニョとIODMの同時発生中に、南東モンスーンに対する季節的反応のタイミングや大きさに、7年間の月毎のChl-a変化が重要な逸脱を示した。1997〜98年のエル・ニーニョ、IODMのピーク間に変則的な東風が、ジャワ・スマトラ島沿岸に沿って、より北西へと続く高濃度のChl-aを生み出し、又、1997年後半〜98年前半、1999年後半の変則的な海洋状態(風応力、SSH、SST、Chl-a)のメカニズムが、IODMの進化パターンと一致した。我々の研究結果は、気象学的年次イベントと生物学的海洋学のプロセスの間に強い相互作用、及び、その領域での生物学的生産メカニズムと遠洋漁業についての理解に対して、マルチセンサ・リモートセンシングデータの有用性を示す事となった。
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