研究課題
基盤研究(C)
本研究では、大気環境物質(週間採取の粒子状物質(PM、2002年10月-2005年1月、川崎)及び月間採取の全降下物(乾性及び湿性、1964年福岡及び2000-2004年福岡、長崎、つくば、川崎))中の主要・微量元素及び放射性核種をICP-AES、中性子放射化分析及びγ線スペクトロメトリにより定量した。その結果、大気環境物質の起源と挙動について以下の貴重な知見を得た。(1)PM中の元素濃度において、Br-Sb間及びSc-Fe-La間で各々高い相関を示した。さらにPM10(粒径10μm以下の粒子状物質)における粒径分布を考慮すると、Br-Sb及びSc-Fe-Laについては各々PM10による寄与が大きいことが示唆された。(2)PM並びに降下物における^<210>Pb及び^7Beにおいて、南風時より北風時に放射能濃度は高くなった。この理由として^<210>Pbは^<222>Rnの大気中に拡散する割合が、海洋と大陸では、大陸の方が1000倍以上大きく、一方^7Beは宇宙線の緯度効果が影響しているためと考えられる。また、PM並びに降下物中の両核種の濃度は降水現象に支配されていることが判明した。(3)2000年長崎降下物試料を黄砂で規格化した値を用いて、黄砂がどの程度降下しているのか概算した。その結果、3月〜5月で特に多く、3月では6.8〜10g/m^2、4月では2.4〜3.3g/m^2、5月では3.9〜4.9g/m^2なる値を得た。また、Th/Sc比の月別変化より、近年試料の方が1964年試料より黄砂の寄与が大きいことが判明した。(4)1964年福岡試料の土壌起源元素降下量は、全降下量と月別変化のパターンがほぼ一致し、また、ウランを除き高い相関を示した。これらのことから、1964年福岡試料において全降下量が格段に多かったのは土壌ダストによるものであることが強く示唆された。(5)ウランの月間元素濃度は、他の土壌起源元素濃度と変動のパターンが一致せず、^<137>Csの月間放射能濃度とピークがほぼ一致した。このことから、ウランの起源は、土壌だけではなくフォールアウトによるものも含むことが示唆された。
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