研究課題
基盤研究(C)
北極地域の氷床や様々な氷河で掘削された雪氷コアの酸素同位比や化学成分の分析から、過去の気温や大気中のエアロゾルの変動を推定した。雪氷コア中エアロゾルの時間変更は、その発生源の時間変動と、大気循環場の時間変動の両方を反映したものである。北極域のサミット(グリーンランド中央部)、ダイスリー(グリーンランド南部)、ペニー氷帽(バフィン島)、アガシー氷帽(エルズミア島)、アウストフォンナ氷帽(スバールバル北東島)で掘削した雪氷コアの生データを用いて、各コアの精密年代決定を行うとともに、過去200年間の酸素同位体比とイオン濃度の年平均値を計算した。また、これらの時系列データを、北極振動指数と比較した。サミットでは酸素同位対比すなわち気温が北極振動指数と正の相関を示し、アウストフォンナ氷帽では負の相関を示していた。このようにグリーンランドとスバールバルでは気温のシーソー現象が見られた。他の地点では酸素同位対比と北極振動指数の間に明瞭な相関関係が見られなかった。一方、スバールバルのニーオルソン基地における気温のデータを解析すると、北極振動指数と正の相関があり、アウストフォンナ氷帽コアの結果と一致した。北極域では氷河上の積雪の融解が無視できない。雪氷コアの融解の履歴とコア試料中のエアロゾル起源物質変動の相関を確認し、コア記録に対して融解影響を評価する試みを行った。コア中の気泡含有量及び融解時の脱塩作用によってもたらされるコア中の融解電気伝導度の低下に着目し研究を行い、融解電気伝導度について微小な試料で測定できるシステムを作成した。数年〜数十年スケールの変動の現象にさらに季節変動・年変動の影響を入力できる法論を開発できた。
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