研究課題/領域番号 |
15510027
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
早瀬 隆司 長崎大学, 環境科学部, 教授 (40301361)
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研究分担者 |
石橋 康弘 長崎大学, 環境保全センター, 助手 (00212928)
武政 剛弘 長崎大学, 環境科学部, 教授 (70039684)
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キーワード | 戦略的環境影響評価 / スコーピング / 長期総合計画 / ライフサイクルアセスメント / リスク比較 |
研究概要 |
本研究は、地域の開発に関する総合的な計画のレベルでの環境影響評価のための手準を、LCA的思考を考慮しながら開発しようとするものである。 今年度は、(1)長崎県の長期総合計画を取り上げ環境配慮の現状と課題の整理、(2)諸外国を含む環境影響評価制度及びLCAにおける環境の要素の分類状況についての比較調査、(3)スコーピングの際の地域住民の意向の調査方法についての検討を行った。(1)に関しては、計画課題の実施に際しての環境影響の把握という視点からは何らの配慮もなされておらず唯環境分野での政策課題が羅列されているだけであること、県民の意向や地域の環境特性についての考察も反映されていないこと、がわかった。今後は、計画課題の実施とその環境への影響という視点からの考察を組み込んでいく必要がある。(2)の環境要素の分類については、環境影響評価制度の基本的事項、Product Life Cycle AssessmentのためのNordic Council of Ministersのレポート、同技術報告書、比較リスク分析に関する米国環境保護庁報告書(Unfinished Business)、その他国内関連文献などを収集し分析した。これらにより取り上げられている項目は多様で複雑である。しかも、「環境問題の原因である人間活動の段階のもの」、「環境の状態の段階のもの」及び「環境を介してのエンドポイントへの働きかけへの段階のもの」に分類してみると混在しているのも特徴である。(3)地域住民の意向の把握方法については、人々の環境問題に対する重要度についての考え方を考察するため、エンドポイントとして「人間の健康」、「社会への影響」及び「自然生態系」の3分類を取り上げ、これらの重要性についての価値観と個々の環境要素とを階層にして、AHP(階層分析法)を用いて分析してみた。その結果、環境専門家と一般市民の間で、また地域ごとに環境の要素ごとの重要性の認識に違いの存在する可能性が示唆された。
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