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2004 年度 研究成果報告書概要

環境破壊に対する受容と抵抗

研究課題

研究課題/領域番号 15510036
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 環境影響評価・環境政策
研究機関京都大学

研究代表者

平松 幸三  京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (70026293)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワード環境破壊 / 航空機騒音 / 生活史
研究概要

沖縄の嘉手納飛行場周辺の音環境は破壊が著しいが、国の移転促進措置にもかかわらず、なにゆえに住民が居住しつづけるのかを沖縄県北谷町砂辺区をフィールドとして調査した。まず航空機音の現状とそれによる住民健康影響に関して、筆者が参画した疫学調査の結果として記述し、そに相応する住民の証言を得た。次に住民の意識をさぐるため、コミュニティ・ライフヒストリー調査を実施した。具体的には、沖縄の歴史を概観し、砂辺区の歴史を諸資料を渉猟して取りまとめ,北谷町砂辺区の住民12名のライフヒストリーを聞いた。その結果以下のことが明かとなった。1)航空機騒音による生活への障害は甚大で、航空機騒音を聞いたときに本土に虐げられてきた沖縄の歴史や砂辺の歴史を想起する。2)航空機騒音ゆえに、一部の住民がすでに転出しているが、転出そのものがさまざまな問題をかかえていて、出るも地獄残るも地獄の状況が生まれている。3)残っている者は伝統行事を守り、地霊を敬うことを重視している。4)砂辺集落の環境が悪化しつつある。5)国の防衛施設周辺対策事業も国有地の点在によって阻害される。6)訴訟の提起も、結局は損害賠償の支払いに終わり、騒音防止には役立たない、との失望に終わった。また、新東京国際空港(成田)の暫定滑走路が供用開始されたので、住民意識を調査することで嘉手納飛行場周辺と比較できると考え、その周辺において航空機騒音の影響に関する疫学調査を実施した。静かだった環境が急に航空機騒音曝露地区になったため、成田空港周辺の住民の反応率は嘉手納周辺よりも概して高率であった。新たな環境破壊に対して住民がどのような反応をするのかを知る上で貴重な事例になると目される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 研究室からフィールドへ-生活の場で考える2005

    • 著者名/発表者名
      石田紀郎, 原田正純, 平松幸三
    • 雑誌名

      地域研究 7

      ページ: 13-46

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 音の楽園2005

    • 著者名/発表者名
      平松幸三
    • 雑誌名

      アジア遊学 82

      ページ: 55-64

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The Okinawa study : effects of chronic noise on blood pressure and some other physiological indices2004

    • 著者名/発表者名
      T Matsui, T Uehara, T Miyakita, K Hiramatsu, Y Osada, T Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Sound and Vibration 277

      ページ: 469-470

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The Okinawa study : an estimation of noise-induced hearing loss on the basis of the records of aircraft noise exposure around Kadena Air Base2004

    • 著者名/発表者名
      K Hiramatsu, T Matsui, A Ito, T Miyakita, Y Osada, T Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Sound and Vibration 277

      ページ: 617-625

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 環境学と地域研究について-音環境を例に-2004

    • 著者名/発表者名
      平松幸三
    • 雑誌名

      地域研究スペクトラム 10

      ページ: 3-8

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The Okinawa study : effects of chronic noise on blood pressure and some other physiological indices2004

    • 著者名/発表者名
      T Matsui, T.Uehara, T Miyakita, K Hiramatsu, Y Osada, T Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Sound and Vibration 277

      ページ: 469-470

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] The Okinawa study : an estimation of noise-induced hearing loss on the basis of the records of aircraft noise exposure around Kadena Air Base,2004

    • 著者名/発表者名
      K Hiramatsu, T Matsui, A Ito, T Miyakita, Y Osada, T Yamamoto
    • 雑誌名

      Journal of Sound and Vibration 277

      ページ: 617-625

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 現代社会の環境ストレス(27-59頁「騒音のストレス」を分担)2005

    • 著者名/発表者名
      平松幸三
    • 総ページ数
      145
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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