研究課題/領域番号 |
15510038
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大内 浩子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (10241522)
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研究分担者 |
山寺 亮 弘前大学, 医学部・保健学科, 教授 (90004465)
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キーワード | イメージングプレート / IVR / X線 / 入射皮膚線量 / セロハン法 / アニーリング法 / フェーデイング |
研究概要 |
IVR(Interventional Radiology)術時における患者被ばく線量のイメージングプレート(IP ; Imaging Plate)による評価方法の開発を目的とし、皮膚の確定的影響が数Gyで生じることから、X線に対して少なくともIPで10Gyまで測定が可能であること及び積算計としてのフェーデイングの評価についての検討を行った。 2種類のIP ; BAS-MS、BAS-TRにX線を照射してBAS-1000により通常の方法で読み取ったとき、測定上限値はそれぞれ100μGy、600μGy程度である。しかし、これらは、読取り装置の出力回路の制限によるもので、IPの物性としての上限を意味するものではない。そこで、出力回路で制限されないようにPSL(Photo-Stimulated Luminescence)発光を制御する2つの方法、色セロハンシートを用いる方法とアニーリング処理を施す方法を開発した。その結果、BAS-MSとBAS-TRのダイナミックレンジの上限はそれぞれ10Gy、100Gy程度であり、BAS-TRでは、直線性があるのは10Gyあたりまでであることが明らかになり、IVR術時の線量評価に対応できることがわかった。 フェーデイングの評価については、X線照射後の経過時間と温度とを変数とするフェーデイング関数を新たに作成し、これより求めた最適条件でアニーリングを行うことによりフェーデイングの影響を最小限にした。BAS-TRを用いて、照射後100℃で70時間アニーリングした後に通常の測定方法で読み取った結果、PSL密度とX線吸収線量との間に10Gy以上まで良好な直線関係が得られた。セロハン法とアニール法との組合せにより、被ばく後短時間で線量を知ることができ、積算型線量計としてフェーデイングの影響を最小限にした評価を行うことができる。
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