研究課題/領域番号 |
15510042
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松丸 祐司 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70323300)
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研究分担者 |
西沢 かな枝 放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター医学物理部, 室長 (40086575)
坪井 康次 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90188615)
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キーワード | 血管内治療 / 脳 / 被曝測定 / 医療被曝 / 放射線防御 |
研究概要 |
1.頭頚部欠陥内治療患者の局所線量測定 測定に先立ち、筑波大学付属病院の血管造影装置とファントムを用いた予備実験を施行した。その結果、ガラス線量計の精度を確認できた。この結果をもとに、頭頚部血管内治療施行患者約10名に対し、ガラス素子線量計による被曝測定を施行した。頭部と顔面、前頚部、体幹部に多数の線量計を配置したが、X線透視上じゃまになることもなく、懸念されていた治療への支障は認められなかった。治療中は、X線発生装置の管電圧、管電流の推移を一定時間ごとに記録した。この値を参考に線量計回収後、放射線医学総合研究所にて読みとり作業を行った。読みとり作業は可能で、おのおのの患者の局所被曝線量を算出することができた。また治療後の患者の頭皮、水晶体、検査所見等を検討し、現在も外来にて継続中である。頭皮異常を認めた場合、直ちにデジタルカメラで記録し、経過も記録した。 2.頭頚部血管内治療施術者の医療被曝測定 血管内治療術者も患者と同様に、ガラス線量計を顔面、前頭部、体幹部、上肢において被曝を測定した。線量計は治療に支障を与えることはなかった。現在までのところ通常の脳血管内治療では医療者の被曝はきわめて低いことがわかった。 3.データベースの作製 今後長期に渡り被曝の影響を追跡し、また多くの施設で測定を行うための血管内治療被曝データベースの作製にとりかかった。データベースは、汎用ソフトを用いることによりパーソナルコンピューターで管理可能である。患者基本データのほか局所被曝線量を入力し、その後の追跡に有用なものとする予定である。
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