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2003 年度 実績報告書

動物細胞ゲノムへの突然変異導入機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15510049
研究機関京都大学

研究代表者

園田 英一朗  京都大学, 医学研究科, 助教授 (50281093)

研究分担者 田野 恵三  京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00183468)
キーワードニワトリDT40 / 相同組換え / 損傷乗り越え修復 / 複製フォーク停止 / Rev3 / 突然変異 / 損傷乗り越えポリメラーゼ
研究概要

我々はニワトリDT40細胞株を用い、相同組換え(HR)と損傷乗り越え修復(TLS)を同時に欠損した株(ΔRad54/ΔRad18,ΔRad54/ΔRev3)を作成し、これらの株が染色体断裂を多発して死亡することを見いだした。すなわち、HRとTLSは、互いにオーバーラップしながら、細胞内でたえず発生している複製停止からの複製再開に必須の働きをしていることを解明した。これは動物細胞に特有な現象である。
HRは鋳型を使って組換えるため突然変異を伴わない修復をおこない、TLSは不正確なポリメラーゼによって修復をおこなうため、突然変異を誘発しやすいと考えられている。これらの修復経路の使い分けによりどのような変異が、どの程度誘発されるか調べるために、DT40細胞にて突然変異を測定する系の樹立をおこなった。HPRT遺伝子を使った系では、ニワトリ特有の代謝経路により、大規模な測定が困難であることがわかり、また緑色蛍光遺伝子(GFP)をつかった系では、突然変異の頻度が非常に低く定量的に測定することが困難であることがわかった。現在、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子を用いたアッセイ系を樹立中である。また複製フォークの中間産物、相同組換えの組換え中間体を直接可視化するために、DNAの2次元電気泳動法をニワトリ細胞で立ち上げる準備中である。
またそのほかの突然変異を起こしうるポリメラーゼの候補として、POLQ,Rad30,PolNなどの欠損細胞を作成しており、それらの一部はすでに欠損細胞が樹立でき、その表現型を解析中である。また相同組み換えに関与する新規遺伝子FBH1のノックアウトも進行中である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hochegger, H., Sonoda E., Takeda, S.: "Post-replication repair in DT40 cells : translesion polymerases versus recombinases"Bioessays. 26. 151-158 (2004)

  • [文献書誌] Vagnarelli, P., Morrison, C., Dodson, H., Sonoda, E., Takeda, S., et al.: "Analysis of Scc1-deficient cells defines a key metaphase role of vertebrate cohesin in linking sister kinetochores"EMBO Rep. 5. 167-171 (2004)

  • [文献書誌] Sonoda, E., Okada, T., Zhao, G.Y., Tateishi, S., Araki, K., Yamaizumi, M., et al.: "Multiple roles of Rev3, the catalytic subunit of polzeta in maintaining genome stability in vertebrates"Embo J. 22. 3188-3197 (2003)

  • [文献書誌] Yu, D.S., Sonoda, E., Takeda, S., Huang, C.L., Pellegrini, L., et al.: "Dynamic control of Rad51 recombinase by self-association and interaction with BRCA2"Mol Cell. 12. 1029-1041 (2003)

  • [文献書誌] Morrison, C., Vagnarelli, P., Sonoda, E., Takeda, S., Earnshaw, W.C.: "Sister chromatid cohesion and genome stability in vertebrate cells"Biochem Soc Trans. 31. 263-265 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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