研究課題/領域番号 |
15510051
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 裕夫 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20237275)
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研究分担者 |
本行 忠志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90271569)
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キーワード | H2AX / SCIDマウス / 生物線量計 / 低線量放射線 / 低線量率放射線 / 蛍光抗体染色 / フローサイトメーター / ヒストン蛋白リン酸化 |
研究概要 |
リン酸化H2AXに対する蛍光抗体を用いて、DNA二本鎖切断端に存在するリン酸化H2AXを特異的に検出するin situハイブリダイゼーション法の最適条件を確立することに成功したので、次の段階として、培養、染色等の処理工程が簡便な浮遊培養細胞株樹立のためにSCIDマウスに発症するリンパ腫細胞を分離培養し、株化を試みた。そして、細胞株の樹立に成功した。 浮遊細胞では、シャーレから剥離した線維芽細胞と異なり、均一な浮遊単細胞を得やすく、培養後の処理も簡便であることから処理時間の短縮化とフローサイトメーターでの蛍光強度の測定精度を上げられることが期待できる。そのため、このSCIDリンパ腫株細胞を用いてフローサイトメーターでのDNA二本鎖切断量の定量法の確立を試みた。その結果、放射線被曝SCIDリンパ腫株細胞(0〜4Gy)の細胞あたりの蛍光シグナル強度が線量に依存して直線的に増加することが観察され、以前の線維芽細胞ならびにマウス臓器組織と同様に生物線量計としての有用性が確認された。 SCIDリンパ腫株細胞では、末梢リンパ球と異なり、必要時に多量の単細胞を容易に準備できる利点がある一方、末梢リンパ球では全ての細胞がG1期で、SCID特有のNHEJ修復欠損によるDNA二本鎖切断の修復が起こらないために、長時間の低線量被爆でもDNA障害が修復されずに保存されるが、SCIDリンパ腫株細胞ではHR修復でDNA二本鎖切断修復可能なS期以後に細胞周期が進む欠点がある。これでは、低線量率照射には向かないために、この欠点を克服するべく、分裂周期をG1で止める方法を検討した。 その結果、ラパマイシンが細胞ステージをG1で停止させる作用があり、細胞サイズの均一化に有用であることがわかった。そして培養系のリンパ腫細胞でも照射時間のかかる低線量、低線量率放射線測定において安定して利用できることがわかった。
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