研究概要 |
本研究は,赤外線センシングの利点を地雷探査に応用して,探査・除去作業に関わる危険を低減する技術の可能性について,主に数値シミュレーションの観点から探査に付随するメカニズム,探査限界,および探査に付随する影響・因子などについて総合的に検討を加えたものである.その結果,以下のことが明らかになった. (1)太陽放射や自然環境条件を援用した赤外線センシングによる地雷探査では,地表面放射率や日照時間帯などにより探査に最適な条件が存在する. (2)赤外線センシングによる地雷探査では,地雷が地中深くに埋設されているほど難しくなる. (3)本手法のデメリットは,放射率が種々に変化している地表面や周辺土壌中に様々な混入物が存在する場合に探査が難しくなることである.また,ジャングル地帯の地雷探査などでは,地表付近に生育した草木などが障害物となる.これに対して放射率を特定し易い砂漠地帯では,赤外線地雷探査が比較的容易であろう. 今後は,赤外線サーモグラフィーによる地雷探査を実際に行い,取得した実際の自然環境条件を数値シミュレーションに供すると同時に,実験値と計算値を詳細に比較・検討し,実計測の観点からも探査に付随するメカニズム,探査限界,および探査に付随する影響・因子などについてさらなる検討を加える予定である.
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