研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、我が国に自生するニッケル集積性植物タカネグンバイ及びマンガン集積性植物コシアブラを用いて、植物の遺伝子解析を行い、それぞれの重金属耐性・蓄積性に関与する遺伝子を解析しファイトレメディエーションの実用化に資することである。結果は以下のように要約される。1貴重な遺伝子源であるタカネグンバイの北海道における分布と3種類のエコタイプの金属集積能について解析した。2重金属耐性に関与すると考えられるフィトケラチン合成酵素(PCS)遺伝子をタカネグンバイより単離し(TjPCS)、酵母に導入したところ、カドミウム耐性が付与された。なお亜鉛、カドミウム集積性を示すグンバイナズナからもPCSの遺伝子を得て、ほぼ同様の性質を示すことを認めた。3タカネグンバイよりトランスポーター遺伝子(TjZnt1, TjZnt2, TjNramp4)を単離し、それぞれを酵母に入れて機能解析を行ったところ、TjZnt1, TjZnt2を導入したものではニッケル耐性が付与され、TjNramp4を導入したものでは、ニッケル感受性になりかつニッケル濃度も増加した。4コシアブラは培地にH^+を放出してpHを下げ、溶液中に溶出してきたMnO_2を吸収していることを認めた。酵母と植物では遺伝子の発現状況も異なることが考えられるので、今後さらにシロイヌナズナなどのモデル植物で発現させ、ついでバイオマスのより大きい植物を形質転換して、実用化に向けて研究を進める必要があるものと考えられる。さらに多くの超集積性植物を発見し、遺伝子源として利用することも求められよう。
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