(1)木炭とヨシの組み合わせ材による浄化工法の提案 各種の木炭(竹炭、間伐材による炭、マングローブ炭、びん長炭)を対象にしたCuの吸着実験から、高価なびん長炭よりも竹炭、間伐材による炭の方が高い吸着効果を示した。このことは、地場産業として、間伐材のリサイクル化に貢献できる。さらに、吸着量は、Freundlichの式から炭の交換時期は移流・分散式から推定出来た。 清水町における浄化実験装置を利用した導電率のデータを解析した結果、2月のデータは浄化率が1.01であり、ほとんど変化はないが6月では0.81となり約20%の除去を得ることが出来た。つまり、ヨシの生育による吸収効果を裏付けるものである。 (2)FEM移流・分散解析によるため池の浄化効果の検討 上記の成果を現在建設計画中の和歌山県岩出市水栖大池(約200x250m)の水質浄化工法として採択され、とくにため池に浄化循環水路を併設した場合の浄化効果をFEM移流・分散解析から評価できた。この手法は、ため池の水環境に対する設計に寄与できる。 (3)論文投稿 これまでの研究成果は、「ヨシが含有する化学汚染物質に着目した河川流域環境特性」地盤工学会誌(印刷中)、 「ヨシに着目した化学汚染物質の吸収特性と水質浄化への応用」土木学会論文集(投稿準備中)を予定している。
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