研究課題
(1)昨年度から引き継いでいるCo_3O_4ナノ微粒子について、SiO_2中のCoイオン濃度を制御し磁気特性の変化を観察した。SiO_2の割合が少ないほど粒径が大きくなることがわかった。磁化の値と有効磁気モーメントは10nmより小さい粒径で急激に増加した。またKEK(つくば)にて放射光を利用した局所構造に関する実験を行った。XANESからはX線では判別できなかった3nm近傍でもCo_3O_4の同定ができ、結晶が成長していく様子がわかった。EXAFSの結果によるフィッティングからは、粒子化が進むと第1配位の原子間距離が伸びること、配位数が減少すること、分散が大きくなることなどが明らかになった。この結果はXRDの結果ともコンシステントであった。(2)昨年手掛けた多元系フェライトに関するものについて、今年度はMnに注目しMn-ferriteの作成を試みた。ナノ微粒子の磁気特性を見分けるために、バルクのMn-ferriteの作成も同時に試みた。その結果バルクのMn-ferriteと、粒径が5-20nm程度のMnFe_2O_4ナノ微粒子の作成に成功した。磁化測定の結果からは、強磁性的に秩序化したスピンが熱ゆらぎに負け、超常磁性になるブロッキング温度Tbが15-50Kの間で観察された。(3)同じくMnを含む酸化物Mn-O系の試料作成も試みた。作成条件や焼成条件により、Mn_3O_4またはMn_2O_3の粒径1.3-7.4nm程度のナノ微粒子ができることがわかった。バルクのMn_3O_4はTc=43Kを持つ強磁性であるが、それより低温の9K付近に転移温度が現れた。同様にMn_2O_3でも、ネール温度T_N=90よりずっと低温の16Kで転移温度が見られた。これらの転移温度をブロッキング温度Tbとすると、Tb以下ではヒステリシスを持つ強磁性的振る舞いが観察された。(4)今年度における国内外での学会参加発表等は以下の通りである。2004年5月 ナノ学会第2回大会(東京)2004年6月 第2回ゼーハイム磁性国際会議(ドイツ・ゼーハイム)2004年9月 日本物理学会秋季大会(青森)2004年10月 分子磁性国際会議(つくば)2004年11月 熱測定国際会議(つくば)2005年3月 日米若手研究者交流シンポジウム(アメリカ・シカゴ)2005年3月 日本物理学会第60回年会(千葉)(予定)
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J.Therm.Anal.Calor. (in press)
Polyhedron (in press)
Phys.Stat.Sol.(c) 1,No.12
ページ: 3485-3488
J.Mag.Mag.Mater. 272-276
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