研究課題
基盤研究(C)
本研究では、イオン伝導体をナノサイズのチャンネルを持った酸化物(アルミナ)中に導入することにより、イオン伝導度の大幅な向上とそのメカニズムの理解を目指したものである。本研究により以下の点が明らかになった。X-114などの界面活性剤を鋳型として用いるゾルーゲル法によりナノチャンネルアルミナを合成した。その際、用いる鋳型高分子の大きさ、形、合成条件の最適化により、チャンネルサイズを3nmから22nmまでの範囲でコントロールできた。合成されたメソ孔アルミナ中にリチウムイオン伝導体であるヨウ化リチウムを導入した。伝導度にはチャンネルサイズ依存性が見られ、チャンネル径を4〜12nmまで変化させたところ、サイズの減少に伴って、伝導度が増加した。また、リチウムイオンの拡散係数測定をパルス磁場勾配NMR法にて行ったところ、伝導度と拡散係数の間にアインシュタイン式の成立を確認した。370℃での複合体のリチウム拡散係数は、アルミナチャンネルサイズに依存し、その依存性は伝導度と良く対応している。塩化ランタンをドープしたメソ孔アルミナについて一定湿度下で高いプロトン伝導性が発現することを見出した。チャンネルサイズが3nmから15nmへ増加するとともに、2桁にわたって伝導度が向上した。NMR測定、TG/DTA測定より細孔内部のプロトン濃度を定量した。この材料は、湿度60%〜90%の範囲では大きな伝導度の変化は起こらない。一方、AAなどを出発原料としたポリマーコンポジットが作製できることが分った。このコンポジットは、100℃に耐え、10^<-5>Scm^<-1>程度のプロトン伝導を示す。
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