研究課題/領域番号 |
15510099
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山崎 昌一 静岡大学, 理学部, 助教授 (70200665)
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研究分担者 |
伊藤 忠直 京都大学, 理学研究科, 助教授 (90093187)
大橋 一世 千葉大学, 理学部, 教授 (90114248)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | アクチン / フィラミンA-ゲル / 一分子の蛋白質の力学特性 / フィラミン / 蛋白質のアンフォールディング / 巨大リポソーム / 蛍光顕微鏡 / F-アクチンの運動 / 膜分裂 |
研究概要 |
本研究の目的は、我々が発見したフィラミンAの"1分子"の力学特性に基づいて、アクチン/フィラミンA-ゲルの力学特性や浸透圧応答のメカニズムを解明することであった。そのためにいくつかの方法を開発したり、基礎的なデータを得ることに成功した。 1.アクチン/フィラミンA-ゲルにずり応力がかかったときにフィラミンAがアンフォールディングを起こすかどうかを調べるために、フィラミンAのアンフォールディングを蛍光顕微鏡を用いて検出する方法の開発を試みた。蛍光プローブ(オレゴングリーン488)で過剰にラベルしたhsFLNaは、自己消光により蛍光強度が小さかったが、塩酸グアニジンでアンフォールドさせると蛍光強度は増大し、塩酸グアニジンを希釈してリフォールドさせると再び蛍光強度は減少した。したがってこの方法によりフィラミンAのアンフォールディングとリフォールディングを蛍光顕微鏡で観測することが可能になった。 2.高イオン強度下でリン脂質の巨大リボソーム(GUV)内にアクチン/フィラミンA-ゲルを構築することに成功した。アクチン濃度が低い(2μM)ときは、GUV内のアクチン/フィラミンA-ゲルをテキサスレッドファロイジンを用いて蛍光顕微鏡で観察することに成功した。秩序液体相のGUVは、CMC以下のリゾホスファチジルコリンを外液に加えることにより、膜分裂を起こすことを見出したが、アクチン/フィラミシA-ゲルを含むGUVでは膜分裂は起こらなかった。 3.低濃度のアクチン濃度の場合は、F-アクチンのチューブの中での波うち運動やレプテーションが観察することができたが、アクチン/フィラミンA-ゲル内のF-アクチンは、そのような波うち運動やレプテーションなどの熱運動が観察されず、それらが抑制されていることがわかった。 4.AFMによるフィラミンAのアクチン結合ドメイン(ABD)とF-アクチンの結合力の測定する目的で、まずチキンのフィラミンのABDを生産した。次に測定の方法論の確立のために、AFMのカンチレバーの探針をアミノ化し、それをビオチンと結合させ、雲母上のlo相の脂質2分子膜中のビオチン脂質にアビジンが結合したものとその探針との相互作用をAFMにより調べ、ビオチンとアビジンの結合力の測定に成功した。
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