研究概要 |
実験条件として1,000℃,700TorrのArガス雰囲気中でNi/Co含有グラファイトをパルスNd:YAGレーザ(λ=532nm)でアブレーションし,単層カーボンナノチューブ(SWNT)生成した。このSWNT作製プロセスにおいて,プラズマプルームの発光分光,Ni触媒のレーザ誘起蛍光測定を行った。またSWNT測定のためin situレーザラマン分光装置の作製を行い,以下の結果を得た。 1.C_2分子の発光スペクトル(Swan band)から求めたC_2の回転温度は,アブレーション直後で約7,000K,20μs後に約4,000Kまで低下する。 2.色素レーザによりNi原子線(λ=232nm,^3F_4→^3G_5)を励起し,λ=300nm近傍のLIF信号を測定し,Ni原子数密度の時間変化を測定した結果,Ni原子は,アブレーション後,約500μsまで存在することが確認された。 3.パルスNd:YAGレーザを光源とし,ノッチフィルタとICCD分光器を用いて,グラファイトのラマン分光スペクトルを測定したが迷光レベル大きいため,新たに半導体グリーンレーザ(λ=532nm)を用いた,同軸落射光学系のラマン分光システムの設計・製作を行った。 4.カーボンナノチューブ生成過程の測定対象として,NiまたはCoターゲットをレーザアブレーションすることにより触媒ナノ微粒子を供給し,アルコールやアセトンを炭素供給源とする触媒化学気相成長法を開発した。TEM観測によりNi触媒を用い,エタノールを材料ガスとして1,000℃で不純物の少ないSWNTの生成が確認できた。
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