研究課題
平成16年度の研究においては、(a)マイクロ・ナノ照射技術の開発、(b)ナノ照射効果の評価技術の確立、(c)微細素子形成の検討、の3点に関して研究計画を遂行した。集束イオン線照射は、原研高崎研TIARA施設内にて、3MVシングルエンド加速器あるいは3MVタンデム加速器を用い、H^+(1.7 MeV)、Si^<5+>(18MeV)、およびO^<4+>(15 MeV)の照射を行った。試料にはシリカガラス(OH基含有率:1300ppm、3×3×10mm^3)の4面を光学研磨して用いた。マイクロビーム照射効果の評価には、光学顕微鏡による屈折率変化領域の評価、3次元レーザ分光顕微鏡によるフォトルミネッセンス(PL)測定、および原子間力顕微鏡(AFM)による照射側面形状の測定を行った。まず、計画の(a)マイクロ・ナノ照射技術の開発に関する基礎的な知見として、屈折率変化及び表面形状の調査を明らかにした。計画(b)については、原子間力顕微鏡によるナノレベル形状変化の照射条件依存性等に関する評価技術は確立したものの、SERS等を用いたナノレベル分光評価の確立には至らなかった。以上の結果により、イオン種、加速エネルギー、照射量等の照射条件に依存した、シリカガラスへのマイクロ・ナノ照射効果の特性と分布を明らかにした。これらの結果を踏まえ、計画(c)微細素子形成の検討として、実験結果に基づく各種照射条件下でのイオン種の照射効果の分布を考慮した、光導波路作製へのマイクロ・ナノ照射効果の適用可能性の検討を行った。その結果、軽イオンビーム照射による埋め込み型導波路形成、および重イオンビーム照射による平面光学回路形成への適用可能性を示した。
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