研究概要 |
(1)対象とする生産システムの検討 従来,生産システムのパラメータや構成を動的に制御している研究は,余り見当たらなかったが,最近,特に米国において,再構成可能生産システムとして生産システムのパラメータのみならず構成についても動的に制御可能と考えられるハードウェアが実現化しつつある.それら待ち行列理論に関する研究や,再構成可能生産システムに関する研究調査をもとに,動的に制御可能なパラメータを持つ生産システムのモデルを構築した.また,平均や分散が時間とともに変化する非定常な現象のモデル化について検討した. (2)需要の変化の検知機能と生産システムの調整機能の開発 続いて,需要の非定常な変化の検知機能と,生産システムのパラメータの調整機能を開発した.生産システムのパラメータとしては,生産工程数と各生産工程の単位当りの生産時間を挙げた.事前情報と事前の対応の検討という両方の仮定とも緩和して機動的な管理方式を開発する前段階として,事前の検討を行った対応について,需要の変化を未知の変数として,それに対する検知・調整機能を開発した.その際には,これまで効果を上げた指数平滑移動平均管理図の応用の可能性を検討し,また,モデル構築の技法としては,待ち行列ネットワークモデルをもとにした. (3)需要の変化に対する検知・調整機能の効果分析 開発したシミュレーションプログラムを用いて実験を行い,需要の非定常な変化に対する検知・調整機能の効果を分析した.その際には,生産システムの定常的特性ばかりでなく,需要の非定常な変化に対する過渡的特性についても明らかし,その際の生産システムの特性としては,需要の待ち時間,生産工程の稼働率,および工程間の在庫量などについて検討した.
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