研究概要 |
平成17年度の研究で得られた成果の概要は以下の通りである。 1)電源の制御と監視機能を持ち,また,大脳の視覚系構造の画像処理機能を併せ持つICチップの基本設計を行った。 2)1)に基づいた新しい監視・制御アルゴリズムを実現する回路を特定用途向き集積回路ASICにより構築した場合の情報通信用電源のディジタル回路のシミュレーションおよび実験を行い,提案しているICの性能を明らかにした。このICによれば,スイッチング電源のディジタル制御を高性能で実現できることを確認した。また,P-I-D制御,最小位相FIRフィルタおよび移動平均を用いた各ディジタル制御方式の制御係数とスイッチング電源の出力電圧安定化特性の関係を明らかにし,さらに,リミットサイクルに基づく振動現象を抑制するという観点からのディジタル制御の方式およびその制御係数の比較検討を行い,設計基準を明らかにした。 3)提案している認識アルゴリズムで煙の自動検知を検証し,その有効性を明らかにした。これによれば化学プラントでの有毒ガスの検出が可能であることが可能であることが分かった。応用としては,テロによる有毒ガスの検出等が考えられる。 4)音データの画像への埋め込みを検討し,埋め込み処理としてビットプレーン化した音データの各ビットに対しウェーブレット変換による画像信号の異なる2点の低周波成分のレベル差分を調整するという埋め込み法を提案している。この提案方式の改良を試み,埋め込み量の増加を図ることが出来た。
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